メンタルヘルスコスト・シミュレーションモデル

MOSIMO(Mental health-cost Original Simulation Model)
~メンタルヘルス不調による休職者が発生した場合の企業の損失コストを簡単に試算~

近年、企業を取り巻く状況として、従業員が受ける精神的な負担は依然高い傾向にあり、自分の仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスが「ある」とする労働者の割合は58.0%1)という状況にあります。
仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神疾患等になったとして労災申請を請求する人や労災認定される人は年々増加しており、従業員が過労死(過労自殺)したケースでは、「心の健康」に関する安全配慮義務違反により巨額な損害賠償金の支払いを企業に命じる判決が出ています。

このように、企業における従業員のメンタルヘルスに関する問題は、単なる個人の問題ではなく、労務管理、経営リスクマネジメントの問題として、企業が主体的に取り組まなければならないものとなっています。
企業では、メンタルヘルス不調者の「早期発見・早期介入」、「長期化や再発の防止」に向けた対策の一環として、EAP*1サービスを提供する外部の専門事業者(以下:「EAP事業者」)の採用を検討するケースが増えています。

企業では、このEAP事業者の採用を検討する際に、「費用対効果」を検証する観点から、メンタルヘルス不調による休職者が発生したことに伴い、生産性に及ぼす影響や負担する損失コスト*2について関心が高まっています。

そこで、私ども株式会社保健同人社三井住友海上火災保険株式会社は、従業員がメンタルヘルス不調に伴い休職した際、企業に発生するコストについて共同研究を行い、掲題のシミュレーションモデルを開発しました。このシミュレーションモデルでは、休職する従業員の年収と休職期間を入力することにより、損失コストを試算することが可能となります。
なお、シミュレーションモデルの作成に当たっては、中村雅和社会保険労務士事務所 中辻めぐみ 氏に監修いただき、より一般的な企業の実態に即したものとなっております。

このシミュレーションモデルの活用により、企業のメンタルヘルス対策の検討や企業の損失コストの最小化の一助となれば幸いです。

  1. *1:Employee Assistance Program(従業員のメンタルヘルス対策などの総合的な支援制度)
  2. *2:損失コストについては、質的・量的な側面から様々な評価や試算が行われていますが、「前提条件が不明確である」とか「現実とのギャップがある」などの指摘がありました。

引用文献

参考文献